5.カラム取扱上の注意事項
 
(1)流速、カラム圧
   移動相の流速は、カラム内圧力が19.6MPa以下(通常4.9〜9.8MPa)になるように
   設定してください(内径4.6mmカラムで、通常0.5〜1.5mL/min)。タンパク型の
   固定相(AGP、CBH、HSA)は、11.8Mpa以下でご使用ください。詳しくは各カラムに
   添付されている取扱説明書をご参照ください。
(2)試料溶液
   試料を溶かす溶媒は移動相と同じか、もしくは移動相とよく混和する溶媒を使用
   して下さい。試料溶液に不溶物があるときはメンブランフィルター(0.45μm程度)
   でろ過して使用して下さい。タンパクやペプチド等の不純物は除去して下さい。
   詳しくは各カラムに添付されている取扱説明書をご参照下さい。
(3)カラム温度
   一般にカラム温度を高くすると、溶質成分の拡散速度等が増し、また移動相の
   粘性が低下することなどによりカラムの理論段数が向上し分離度は良くなります。
   しかし、固定相と溶質との相互作用による対掌体間のエネルギー差の識別という
   点では温度の上昇は不利になり、カラム効率と相反する結果を与えます。従って
   最適温度があるはずですが、予め知ることは困難です。まず、室温で分離検討をし、
   分離不十分な場合に温度を上げてみるまたは下げてみる、といった手順をお勧め
   します。カラム温度は50℃以下(通常は室温)で使用して下さい。
(4)カラムの保守等使用上の注意
   ・カラムに強い衝撃を与えないで下さい。カラム劣化の原因となります。
   ・酸、塩基または塩を含む移動相を使用した後は、これらを含まない溶媒で
    カラムを十分洗浄して下さい。順相系の場合、クロロホルム/メタノール(1/1)
    で洗浄するのが効果的です。長期間カラムを使用しないときは、カラム内溶媒を、
    順相系ではヘキサン/エタノール(99/1)、逆相系ではメタノールに置換して
    保管して下さい。
   ・カラムは順相系のいずれかに限って使用して下さい。
   ・カラムの汚染を予防するためにガードカラムの使用をお薦めします。特に、
    多孔質ガラスフィルター「SUMIPAX Filter」は、どの固定相に対しても使用
    可能ですので便利です。下表にSUMIPAX Filterの適用例(目安)を示します。
製品名 フィルター基材 接続対象カラム
SUMIPAX Filter
PG-ODS
多孔質ガラス基材の表面をODS化し、
更にエンドキャッピング処理を実施
・ODSカラム
・SUMICHIRAL OAシリーズ
SUMIPAX Filter
PG-OH
多孔質ガラス基材をそのまま利用 ・シリカゲルカラム
・SUMICHIRAL AGP, CBH
HSA